“医食同源”とは「病気の治療も普段の食事も、ともに人間の生命を養
い健康を維持するためのもので、その源は同じである」という意味だそ
うだが昨今の健康ブームが本当に体にとってどうなのか?わからない時
がよくある。
人間の基本味は甘味、塩味、酸味、苦味、旨味で五味といわれている。
その中でも塩味は体液のバランスに必要な、また料理のベースとなる味
である。
かつて四大文明の発祥の地は塩の産地の近くに起こったと聞いたことが
ある位、生命にとって欠かすことのできないものと認識しているのは私
だけではないと思う。
だから今日あらゆる自然塩が出ているのであるが、我が家でもご多分に
もれず、モンゴル、イタリア、中国、沖縄と国際色豊かにキッチンに備
わっている。
私は田舎の農家の生まれだから塩は原塩(荒塩)で育った。漬物用の塩
であり、味があるのを覚えている。
今思い返すと、ミネラルが豊富な分食材のおいしさをよく引き出してい
たように思える。
田舎だから肉、魚ではなく野菜が主食の食事だが、旬の野菜と漬物とみ
そ汁で質素であるがおいしい味(田舎の味)であった。
現代の減塩料理は味気ない料理になっている、本当に減塩しないとい
けないのか調べてみたくなった。
塩の過剰摂取は確かに体に問題と考えられるが、体内の機能の中に汗を
かいて塩が体外にでたら、水を飲んで漬物を食べたりして補っているよ
うにみえるが・・・・。
自然塩にはミネラルが豊富に含まれていて確かに体にとって必要な栄養
素ではあるが、必要以上のミネラルは人体に対し凝固作用がありタンパ
ク質を固めていく弊害があるそうである。
塩分の取りすぎによる弊害として、冷え性、糖尿、肝硬変、高血圧など
多肢にわたるが、このもとにはにがり成分の弊害といわれている。
昔からの味噌、醤油はこの自然塩で出来ているため減塩のほうが望まし
いといわれている。
体にとっての弊害は塩味ではなく、過剰なミネラル摂取によることがわ
かった。
もともとミネラル豊富な原塩を粗材として醤油、味噌が出来上がってい
るので摂取をおさえるために減塩をしなさい、ということ。
私のキッチンの自然塩は現代にとってはよろしくないことになる、使う
なら精製塩の方が望ましい。
塩は料理のパンチと素材の旨味を引き出してくれる大切なものである
が、体にとっての塩の使い分けは必要だなあと感じる。
自然塩のうまさに頼らず、精製塩のパンチを生かし素材の旨味を技で引
き出して体に負担を与えない使い方を今一度考えないといけませんね。
食は医学、なら使う人がそれぞれの素材の知識と調味料の特性を合わ
せもって人間の体に負担にならない、かつおいしく仕上げる調剤師にな
ってほしい。
ご家庭の調剤師の方々が読まれていたら、一度インターネットで塩を紐
ほどいてはいかがでしょう、家族の健康を考えて使っているものが実は
使い方によって健康を害することが多分に発見できます。
次回は甘味について考えたいと思います。
Mのチョットひと言