私たちの原点

研究会を立ち上げたのは2009年ですが、この仕事はその前から続けてきました。

研究会を立ち上げた4名は、2001年から2003年にかけて大手居酒屋チェーンのセントラルキッチン2工場を、2004年から中堅チェーンの赤字工場を、同じ顔ぶれで手がけています。

どちらも、社内に招かれ、役職をお預かりして中に入った仕事です。この2つが、いまの私たちの方法論のもとになりました。


外食大手居酒屋チェーン|セントラルキッチン2工場の設計と立ち上げ

2001年〜2003年

ご相談時の課題

全店の仕込みを店舗で行っており、店舗の人件費を圧迫していた。急速な出店に対して、人材の育成が追いつかない。

実施したこと

のちに研究会を立ち上げる4名が、そろって社内に入りました。 センター長、工場長、生産管理リーダー、生産企画リーダー——4つの役職をお預かりし、構想から設計、設備選定、立ち上げ、運用までを一貫して担当しています。まず店舗の仕込み作業を実際に時間計測するところから始め、全52品目の工程を分析してラインを組みました。関東圏200店に対応できる規模で設計しています。

1つ目の工場が軌道に乗ったあと、続けて2つ目の工場を立ち上げました。 1つ目は工場長が残って運営を守り、そこから人を出して2つ目に充てています。同じ4名が、同じ手順で、2工場めを立ち上げました。

結果(1つ目の工場)

  • 稼働から2か月で立ち上げ期の赤字を解消し、以降は改善が利益として出る状態に乗せました
  • 人時生産性が約2.6倍(1人1時間あたりの生産高)
  • 仕込みにかかる人手を、店舗で計測した値の半分以下に圧縮
  • 主要な設備を自分たちで開発・製作し、設備投資額を市販品の約4割に抑えました

外食中堅チェーン|赤字工場の立て直し

2004年〜2006年
150店舗/工場面積 約1,000坪(約3,300㎡)/従業員 約200名

ご相談時の課題

工場が赤字体質から抜け出せずにいた。現場の各部屋では「いくら稼いで、いくら儲けているか」が分からず、達成すべき目標も、良し悪しを判断する仕組みもなかった。

実施したこと

のちに研究会を立ち上げることになる4名が、そろって社内に入りました。 工場長、副工場長、生産管理担当、生産管理課長——工場を動かすのに必要な役職を、同時にお預かりしています。

そのうえで9項目の改革計画を立てて実行しました。最初に着手したのは設備でも仕組みでもなく、考え方の教育です。 そのうえで生産管理・予算管理・目標管理の3つの仕組みを入れ、日々の作業予定表、進捗ボード、歩留まりのグラフまで、現場が毎日使う道具に落とし込みました。

結果

1年という短期間で黒字化。工場全体の経費を、年間およそ1億円改善しました。

一気に下がったわけではありません。月を追うごとに改善幅が広がっていきました。 仕組みを入れ、現場が自分で数字を見るようになるにつれて、効果が積み上がっていった結果です。

  • 2年間で加工費率を27.2%から18.7%へ、8.5ポイント改善
  • 同じ期間に売上は14%増加。売上を伸ばしながら、コストの比率を下げました
  • 1人1時間あたりの生産高が、製造で16%、配送で27%向上
  • 外注品・店舗仕込み品の内製化により、年間およそ2,300万円の差益

支援実績

2009年の設立以降、外食チェーンの工場と生産の現場を支援しています。
ご一緒した会社とは、立ち上げが終わった後も長くお付き合いが続いています。


外食中堅チェーン|新工場の建設と、生産管理システムの構築

2018年〜(現在も継続中)
直営30店舗/工場延床面積 3,135㎡/人員 約200名

ご相談時の課題

出店が進む一方で旧工場が手狭になり、効率的な生産ができず、店舗数の増加に生産が追いつかなくなっていた。そして何より、工場の損益が分からない状態だった。

いただいたご相談は「新しい工場を建ててほしい」というものでした。

実施したこと

建物の話に入る前に、まずマスタ(品目や原価などの基礎データ)の管理体制を整え、原価管理システムを構築しました。 損益が見えないまま新しい工場を建てても、同じことが繰り返されるからです。

そのうえで、立地の選定から設計、施工、移設、運営、生産管理システムの構築までを一貫して担当しました。この手順は、私たちが大手居酒屋チェーンでセントラルキッチンを立ち上げたときとまったく同じものです。

体制

当初は2名が社内に入り、製造部長と生産管理担当として役職をお預かりして現場を回しました。生産管理システムは、もう1名が外部の立場でアドバイザーとして関わっています。

工場の稼働準備の段階では、製造課長クラスとライン長クラスの実務者を1名ずつ加えました。 いずれも私たちと同じすかいらーくグループの出身で、2001年からの2つの工場を共にしてきた顔ぶれです。

結果(旧工場2018年と、新工場稼働後2025年の比較)

  • 生産高は1.76倍。 旧工場は生産量が限界に達していましたが、その制約が外れました
  • 原材料比率は79.5%から72.5%へ、7.0ポイント改善(歩留まりの改善によるもの)
  • 人件費率は11.0%から9.5%へ、1.5ポイント改善(生産工程の自動化によるもの)
  • 店舗で仕込んでいた副菜を工場の内製に切り替え、店舗の作業時間を1日1店あたり4.5時間から0.5時間へ、4時間削減しました。30店舗の合計で、1日あたり120時間分の作業が店舗から消えた計算になります
  • ピッキングを、全店分をまとめて仕分ける方式から1店舗ずつ摘み取る方式に変更。ピッキングのミスが月10件からほぼゼロに
  • 保管庫が狭く常温放置が常態化していた状態から、冷蔵10℃以下・冷凍-18℃以下の温度基準を守れる体制
  • 100品のうち55品あったメーカー直納品を、酒類以外は工場便での配送に集約。店舗の発注作業が一元化に近づき、外部倉庫の保管料と直納の配送費も下がりました

仕組みを整えたことで工場の損益構造が見える状態になり、品質と原価が安定しました。原価・予算・損益のとらえ方は、「私たちの原点」の2件とまったく同じ考え方です。

2018年から現在まで、関わり続けています。 製造部長として工場を立ち上げた1名は、いまは顧問として社内に残っています。 生産管理システムは別の1名が外部から構築・導入して、いまも保守を担当しています。

稼働準備の段階で加わった製造課長クラス・ライン長クラスの2名も、いまも同社の現場にいます。 立ち上げて引き渡して終わり、ではありません。


大手外食チェーン|高齢者向け宅配食ビジネスの立ち上げ支援

2012年〜2013年

ご相談時の課題

高齢者向けの宅配食という新しい事業を立ち上げるにあたり、何が障害になるかが分からない状態でした。本格展開の前に、実際に営業所を開いて課題を洗い出したいというご相談です。

実施したこと

研究会から6名が、それぞれの役割を持って入りました。 全体統括、営業所長、販促企画、システム構築、立地開発——事業を立ち上げるのに必要な機能を、同時に埋めています。

営業所の運営手順とコールセンターの設計、現場が毎日使う管理帳票、必要な設備と備品の洗い出し、出店エリアと物件の選定、実行予算の策定、採用と運営トレーニング、そしてテストランまで。実験営業所を1つ、ゼロから開設しました。

受注システムは、外部から購入せず私たちで開発しています。

成功の基準も最初に決めています。1営業所あたり1日500〜600食の受注配達を2エリアで達成すること、そして店舗段階の利益が単月で黒字になること。期間は開設から3〜6か月以内としました。

結果

実験営業所は計画どおり開設し、約半年間、実際に稼働させました。

受注の実績は計画の80%で頭打ちになりました。先行する宅配事業者との価格競争が理由です。この数字を受けて、本体の経営判断により実験を終了しています。

本格展開の前に、営業所を1つ実際に動かして数字を取ったからこそ出せた判断でした。

私たちの仕事は、やると決めることだけではありません。やめる判断ができる材料を、早く小さく出すことも同じ仕事だと考えています。


20年前にご一緒した会社から、いまも呼ばれています。

「私たちの原点」でご紹介した工場の会社では、2025年から、店舗システムの入れ替えをご一緒しています。工場ではなく店舗の仕組みですが、現場が毎日使うものをつくるという点では、20年前とやっていることは変わりません。

まずは、現場の状況をお聞かせください

「何から手をつけるべきか」の整理だけでも構いません。
工場の新設をご検討中の方も、いま動いている工場にお困りの方も、お気軽にご連絡ください。
初回のご相談は無料です。